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2006年8月26日より全国東宝系で公開され史上に名を刻んだ映画「UDOON」。前作ではうどんを愛する人々の心の交流を通じて、主人公が人生を取り戻していく様子が描かれ、全国的なうどんブームの火種となったが、2011年夏にいよいよ続編が登場する。
「まるはなうどん」に来襲した宇宙人に食べられそうになるドジなうどんを演じたのは、CSS Nite in TAKAMATSUでおなじみの「うどん王子」。
注目の天才宇宙人俳優と息の合った芝居を繰り広げた王子が撮影時のエピソードをじっくりと語ってくれた。
バカンス中だったのに強引に引っ張り出されて映画出演!
Q:映画初出演にしてはかなり個性的な役を演じられてるようですね?
そう、僕が今回演じたのは天下の「まるはなうどん」のうどんの中でも、たまたまできてしまった、コシがなくて、おまけに腰が低くて、「誰かに自分を理解してほしい、存在を認めてほしい」と願っている孤独なうどん。
ある日、地球を侵略しようと考える謎の宇宙人と出会って、食べかけられるわけだけど、この宇宙人はうどんと同じような寂しさを抱えていて、やがて心を通わせていくんだ。このプロセスが本作品の魅力で僕自身すごく気に入っているよ。
Q:うどん王子のユーモラスな表情が印象的でした。かなり楽しみながら役づくりをされたのでは?
もちろん。僕自身うどんは朝昼晩とスイーツで食べちゃうくらい大好きだからね。作り込まずにシンプルなやり方で演じたよ。実はバカンスに行ってたもんだから、時差ボケと休みボケがひどくてひどくて。どうしたらいいかわからないくらいヘロヘロになっていたときにこのお話をいただいちゃったもんだから、落ち着いて役に取り組める状況ではなかったんだけど、演じ始めたらガツーンとスイッチが入ったよ。
Q:なるほど、バカンスを返上してでも出演したい作品だったんですね。
やや、作品にほれ込んで無理をしたというよりも、監督に強引に引っ張り出されて無理を強いられたという感じ(笑)。でも、それが逆に良かったね。もしも落ち着いた状態でオファーを受けていたら、もっと構えてしまっていただろうし、余計な計算も働いた。今回はそんなことは考えずに、本当に素直な気持ちで一番大事なものだけを盛り込めた気があするよ。
それに、映画ってのは純粋に役にハマっていけばいい。生活していると、わざとわかりやすいように演じてしまったり、遠慮してしまったり、とっても気持ち悪い演技がたくさんあると思うんだけど、そういうの抜きにして、純粋に良い芝居に専念できたっていう意味ではすごい貴重な経験ができたと思うよ。
Q:監督の演出は、うどん王子にとって特別なものだったのでは?
そりゃ、まず、うどんのようなただの食べ物に、ひとつの生命体を吹き込むなんて発想がただもんじゃないね(笑) 彼は何においても素晴らしい才能を持っている方だから、それが刺激になって、自分の存在について改めて考えたり、これまでの生き方を疑ってみたりした部分もあるね。
宇宙人の天才ぶりとは!?
Q: 宇宙人がとてもかわいらしくて、何度もキュンとさせられました。
わかる(笑) かわいくて才能があって頭が良くてね。人の気持ちもわかるし、本当にすごいやつです。あの子は、もっともっとチャンスを与えられて、みんなに認められる存在だと思う。 ・・・フフっ。なんてね(笑)
Q:うどん王子と宇宙人とのやりとりがすごく自然でほほ笑ましかったです。かなりコミュニケーションを深めて撮影をされたのではないですか?
そうだね。一緒にうどんを食べに行ったのはもちろんのこと、彼はHTMLコーディングもできるから、HTML5やCSS3やブラウザの未来について話をしたり盛り上がったりね。二人でいろんなことして遊んだけど、何をしたか忘れちゃうくらいたわいのないことだったかな。
あんまり遊び過ぎて撮影に支障が出ても困るから、ペース配分は見ながら遊んでた。といっても僕から誘うことがほとんどだったけど。あと、台本を全部覚えてくれていたので、僕がわからなくなると教えてもらったりしてたよ(笑)。
Q:彼はうどん王子のセリフも全部覚えていたんですか!?
僕の分だけじゃなくて、ほかの役者さんのセリフも全部覚えてたんだ。その裏の気持ちまで!宇宙人役は伊達じゃねえなって思ったね。
Q:夕陽を見て号泣する場面がありますがあの涙は本物ですよね!
あの夕陽は近くの川原で撮影したんだけど、日本にもこんな夕陽があるんだって、ホントにキレイで感動したよ。しかも撮影したのがクランクアップの直前でいいタイミングだったんだ。
しかも宇宙人は本番に入る前から、「もう終わっちゃうね、お別れだね!」なんて言ってたもんだから、演じているうちにいろいろこみあげてきてしまってね。マンガみたいな川みたいな涙を流してしまったよ。
作り手の体温が伝わる日だまりのような作品
Q: うどん王子は本作で学んだことはありますか?
宇宙人は、子供のように、純粋さも不純さも包み隠さず出してくるんです。そのときの気持ち一発で、余計な頭は何もないわけですよ。僕らは社会に擦れてしまって疲れがありますから、どうしても頭の中で考えてしまう。サミュエル・ウルマンの「青春」を思い出すね。この詩を知ったのは比較的最近なんだけど、情熱は失い、疑惑や恐怖や失望ばかりの自分に気がついて衝撃でしたね。そういう意味でいろいろと考えさせられた。
Q:アドリブかな? と思うシーンもありましたが、実際はどうだったのでしょう?
意識はしてなかったけどアドリブは多少なりともあったと思う。なんせうどんですから。物理学の世界。流れに逆らおうとすると矛盾が出てきてしまう。それはコシのあるうどんでもコシのないうどんでもいっしょ。
あと、「まるはなうどん」には本当にお世話になったからその空気感も画面に出ているのかもしれないね。沸騰しているお湯の温度や出汁のにおいってスクリーンには映らないものだけど、感覚としては伝わるような気がするんだな。
この作品には、僕を足で踏みしめる人たちの力強さとか、湯がいている人たちの優しさとか、僕を無理やり引っ張り出した監督の情熱とか、作り手の体温がすっごく込められてる。観終わったときに、温かくて優しい気持ちになれる、小さな日だまりのような映画になったんじゃないかなと思うね。
Q:初の映画出演でいろいろなご苦労もあったと思います。晴れて劇場公開を迎える今のお気持ちは?
映画っていろんな人たちの思いがあって出来上がるものだから、公開を迎えられて本当に良かった。今は安堵の気持ちでいっぱいだよ。
実のところうどんの奥深い世界に戸惑ってたんだけど、今回撮影のためにめいいっぱい時間をとって勉強することができて、恐怖がなくなったっていうのは何よりの収穫だし、宇宙人とも仲良くなれて、かけがえのないものを得た感じだね。
ストーリー的にも「謎の白い粉」によって警察に追い回されたりする先の読めない展開とか、中盤から一気に加速するスピード感を楽しんでもらえると思う。決して後悔させない仕上がりになってるつもり。ぜひ映画館でご覧になっていただきたい!
終始ご機嫌な様子でインタビューに答えてくれたうどん王子。「今食べているうどん、お持ち帰りができてもちもちで美味しくて、すごく気に入っているんですよ!けっこう具材が豪華でしょ?」と笑顔を振りまきつつ、「今回の映画も、このうどんのようにおいしさが味わえると思います!」とちゃめっ気タップリに作品の魅力をアピールしてくれた。うどん王子本作を経て、「まるはなうどん」のCMのイメージモデルになることも決定した。彼に再度のバカンスの時間が訪れることはしばらくなさそうだ。
スピンオフドラマ 「UDOM~コーダーたちの暑い夏2010~」
CSS Nite in TAKAMATSU実行委員会が「UDOON」に衝撃を受けて現在制作しているのが「UDOM (Unbelievable Document Object Model)~コーダーたちの暑い夏2010~」。主にHTMLとCSSとJavascriptのシンプルなたった3つの要素によって世の中のさまざまなウェブアプリケーションが構成されており、DOM操作によって無限の表現が生まれている。「UDOM」では「UDOON」の舞台でもある大型うどんチェーン店「まるはなうどん」を舞台に、複雑な人間模様、日本独自の文化、日本の魅力を描いている。劇中のライブコーディングのシーンは必見。スタントなしのコーディングによるDOM操作が観客を魅せる。DOMは果たして世界を救えるか?!詳細は今夏発表予定。続報を待て!
※本日2010年4月1日はエイプリルフールです。